共働きちむの生活ブロク

30代の共働き夫婦です。2017年秋に旧軽井沢ホテル 音羽ノ森で結婚式を挙げ、2018年には妊娠が発覚し、2019年にはマンションを購入し、など節目節目のことを書いていきます。

文学部に進学するには覚悟が必要

私は某有名国立大学の文学部及び博士前期課程を修了した文学修士です。現在は大学で学んだこととは関係なく、新卒で入社した大手企業の会社員をしています。

そんな私ですが、我が子が文学部に進学したいと言ったら難色を示すと思います。

理由はいくつかあります。

・文学部は本来学ぶところではなく、知識を作り出すところ。その覚悟がないまま入学する人が多すぎる
文学部の講義を聞いているだけだったら、Eテレでも見ているのと何も変わりません。文学部で学んだ知識は、ほぼ実社会では役に立ちません。わざわざ大学に行く意味は、ひとつでも世の中に新しい知識を作り出そうとする、そのための方法論とマインドセットを身につける、というところにあると思います。その覚悟もなく、ただ本が好きだからとか言う理由で文学部に進む人が多すぎる。
また文学部の教員は自分の研究成果を講義する教員が多く、どうやってそこに至ったのかを教える教員は少ないです。また学生側も、高校までの教育は明らかになったことを覚えるだけなので、方法論を学ぶという姿勢にならないことが多い。
・専門性がないまま戦うことになりがち。
しかし、新しい知識を作り出すには、武器としての専門性を持っている必要があります。当然、学部生にはそんな専門性はありません。そのため、学部時代の大半をぼーっと講義を聞いて過ごし、卒論を書く段になって、統計的な手法、文章の書き方などの専門スキルを何も持たないままバタバタして、文章をいい感じに取り繕っただけの、価値のない論文しか書けずに卒業することになりがち。別に卒業できれば卒論なんてどうでもいいと思うかもしれないけど、卒論を書くことは自分のスキルをフル活用し、価値のある知識を創出し、他の人にわかるように表現することなので、それをやってきたかやって来ないかで社会に出てからの立ち上がりも変わると思う。
他の学部は行ったことないのでわからないですが、もう少しみんなが共通に学ぶ専門スキルがあり、それを身に着けてから自分の研究に進むようなカリキュラムになっているのではないか。
・他の人に理解されようとする努力が不足しがち
文学部は教員も学生も研究してることがバラバラで、他の分野に関心持たない人も多い。他の学部がプレゼンや発表を通して他の人にどう理解されるようにするか頑張っている中で、文学部の1年・2年時の授業はレポートを書けばフィードバックもなく単位が取れるものが多い。この差は大きい。
・社会人との接点がない
経済学部・法学部だと、企業とのコラボレーションも多いようなのですが、文学部ではほぼありません。自分は社会人になってから随分世間知らずだったと思い知りました。

 

まとめると、文学部に進学して、いい研究をしたり、社会に出て活躍したりするには、学生自身が相当自らを律して能力を伸ばさないとだめだということです。それができないなら違う学部で、決められたカリキュラムに沿って、きちんとスキルを身に着けたほうが良い。

 

自分自身は文学部で史学系の研究をして、大学院まで行って修論を書きました。資料を集めて分析し、想像でなく論理的に導き出せることを文章にすることを学び、修論ではそれなりに研究成果を出せました。この経験は社会人になってからも役に立っていると思います。

あと、自分も同窓生も、ちゃんと研究ができた人は就職活動にはそこまで苦労しなかったです。

でも自分はあんまり覚悟もなく文学部に入って苦労したので、これから文学部に入ろうとする人の役に立てばいいなと思って書きました。